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脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ

まず最初に言い訳ですが(^^; 僕はこの手の分野の専門家ではないため (知っている情報は本と Web がすべて) 、レビュー内容を致命的にハズしている可能性があります。もしそうだったらごめんなさい。

「脳のなかの幽霊」を読みたいけど、難しそう……。そう感じていた人にも朗報です!文字も大きくなって、さらに読みやすく、解説もわかりやすくなりました。自分のことをもっと知りたい、本当の自分が何なのか興味がある、そんな人はぜひ、本書をてにとってみてください! さあ、未知の領域「脳」への、更なる知的冒険の旅へ!
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200507-04/index.html

今回の本はラマチャンドラン氏が講演にて語った内容を本にしたものです。
前著となる「脳のなかの幽霊」では小さい文字に二段組みでびっしり内容が詰め込まれていたのですが、今回は角川のサイトにて説明されているように字体も大きめで、どちらかというとより入門書的な色合いが強くなっていると言えます。
また、本の内容は BBC テレビにて番組にもなっており、その内容は BBC のサイトからも参照することができます。
http://www.bbc.co.uk/radio4/reith2003/

さて内容的な雑感ですが、「はじめに」にてラマチャンドラン氏自身説明されているように、「講演にて語られていた話」として、まず事例が「こういった事がありました」という「ありき」で説明されているため、まずそれを事実として受け止める必要があります。
前回の本が事例に対し『疑問→実験→結果』という科学的思考的探求を繰り返す読み物なおもしろさを含んでいたこともあって、前著を読んだ人にはやや言及が中途半端という印象を抱く人もいることでしょう(これは前著では科学ライターのサンドラ・ブレイクスルーが共著していた部分も大きいかと思います)。
逆に言うと、前著を読んでいなくて (或いは途中で放り出して) 今回の本を読んで興味を持った方は、是非とも前著を読むことを強くオススメします。長い本ですが、読んでみると抜群に面白いですよ。


とはいえ全く「浅く」物足りないわけでもなく、例によって豪華な注が付けられているため、「深い」情報はこちらにて読むことができます。参考資料と用語集あわせ全部で 50 ページ近いこの巻末の注は内容も前著より Update されており、やはりこの方の本は注が抜群に面白いです。


本著 1 - 4 章までは全体的に前著の内容を「講演」として簡単に説明しているモノなので (使用されている図版も同じものが多い) 前著からの復習という感じ。
3 章については芸術についてより踏み込んだ形の Unique な考察がラマチャンドラン視点がかかれていて、なかなかに興味深いです。
ここら辺、似たテーマの本
「脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界」
http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=14960
と読み比べてみても面白いかもしれません。
芸術と脳についてはラマチャンドラン氏も本を執筆中らしいので、こちらについても期待したいところです。


5 章は新しい内容。哲学と神経科学の視点から始まる考察は精神と物体から自己、そして (やはり) クオリアに (前著より、より進んだ観点に) 到達します。


んが。クオリアについてはそれ自体が哲学的な内容を包含しており、正直なところ僕自身も何かを語れるような知識を持ちあわせていないため、この章の部分についてはちょいと無責任に「保留」とさせて頂きたいです。

(個人的には 「考える脳 考えるコンピューター」 での自我の定義が非常に刺激的だったので、これがなんか絡んでくると面白いなーとか思っているのですが)


さて、それで読後の感想ですが、本のおもしろさとしては、前著が星 5 つとしたら今回は 星 4 つぐらいかな(やっぱり踏み込んだ内容が多いほど見ていて楽しいので、前著の復習が多いのがマイナスかなと)。でもそれでも、全体としては十分に面白い本でした。
ラマチャンドラン氏の本はまだ訳されていないものもあるので、ぜひ山下氏には訳してもらいたいと勝手に期待しつつ、今回も面白い本をありがとうございましたとお礼を言いたいです。

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2005年08月02日 00:00に投稿されたエントリのページです。

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